しょうゆの販売用容器は、長い間、木製樽が主流でした。これが使われ始めたのが室町時代以降。それ以前の鎌倉時代には、陶器の貸しツボや竹筒が使われていたようです。もっと古く、物々交換時代には、各自が容器を持参し、持ち帰っていたと思われます。
さて、江戸時代になると、しょうゆの取引も盛んになり、木製樽とともに、陶磁器製の徳利(とっくり)が併用されるようになります。明治、大正とこのような状態が続きました。
大正時代には新たにガラス瓶が登場します。大正13年には、わが国のメートル法採用にしたがい、従来の一升瓶に代わって二リットル瓶が作られました。また、缶がまず大正9年に輸出用として現れ、大正14年に国内用缶が生まれました。
昭和10年ごろには、樽は瓶に追いつかれ、昭和40年代にはとうとう姿を消してしまいます。そのころからプラスチック容器が出現し、現在全盛時代を迎えています。
昭和36年には、すぐに使えて詰め替えなくてすむ卓上瓶が登場しています。なお、缶は第二次大戦による鉄材不足で姿を消していましたが、昭和30年代に再現されています。 |
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明治以前に使用された容器の種類(「守貞漫稿」から) |
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1. |
江戸貸陶貧乏徳利 |
2. |
京阪貸陶 |
3. |
江戸酒屋の貸樽 |
4. |
京阪酒屋の貸樽 |
5. |
指樽(さしだる) |
6. |
提樽(さげだる) または
角樽(つのだる) |
7. |
竹筒 |
8. |
白鳥形瓶子 |
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