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江戸においても、人口が増えて経済力がつくにつれ、江戸風の文化が生まれ、食文化も独自の味覚をつくり出します。
京都料理が野菜中心だとすれば、江戸の料理は、新鮮な「江戸前」の小魚や貝類が中心。これらを料理するのに、小麦を多用した香りの高い「こいくちしょうゆ」が好まれました。寿司、天ぷら、かば焼き、つくだ煮などは、こいくちしょうゆがあって初めて成立したものといえます。
借金までして初物食いや食い道楽に熱中した江戸っ子たちにとって、新鮮な江戸前の料理は誇りでした。特に、こいくちしょうゆとみりんのタレをつけた芳しいうなぎのかば焼きが、自慢のたね。その香りだけ嗅いでご飯を食ぺた男が、その香り代を店に請求され、銭の音を聞かせて支払ったという笑話があるほどです。値もはりました。「うなぎ切手」という一種の商品券も現れ、贈答用などに用いられたといいます。
幕末には、「食は江戸」「江戸の食い倒れ」といわれるようになります。 |
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