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2011年8月30日

成田工場竣工 のお知らせ

ヤマサ醤油株式会社は、予てより創業の地でもある千葉県銚子を離れ、国内で2番目の工場を千葉県成田市の「成田新産業パーク」内に建設を進めておりましたが、このたび竣工の運びとなりました。醤油醸造工程などは銚子本社工場に残し、新工場ではつゆ・たれの製造及び醤油やつゆ・たれ類の充填・包装を行います。また製造工程に直結した物流センターが併設され、当社のロジスティックの中核拠点として稼動いたします。成田工場の稼動開始は2011年9月12日の予定です。

当社は1645年の創業以来、千葉県銚子市で醤油を始め各種調味料などの製造を行ってまいりましたが、近年は製造販売する品種が著しく増加し、多品種生産のなかで生産性を向上させることが大きな課題となっていました。しかし長年稼動している銚子工場のリニューアルではその課題を克服するのは困難であり、それを解消して食品メーカーとして理想的な次世代設備を目指すには、生産性の向上と製品の安全安心の確保を同時に実現できる全く新しい工場を建設すべきであるとの結論になりました。そこで、液体調味料工場のかくあるべき姿を零から考え、それを具体化する新工場を設計いたしました。立地については、広い施設を建設できる余裕ある土地が確保でき、また液体調味料の製造に適した質の良い水が豊富に利用できる場所として「成田新産業パーク」を選びました。成田は地理的に大消費地である首都圏と銚子の中間に位置し、銚子で醸造した醤油を運んできて、それを充填・包装し、消費地に配送するには格好の場所であります。また新工場は製造拠点と物流拠点が直結されており、お客様からの多様な物流ニーズにも迅速にお応えすることができるものと考えております。

成田工場竣工 のお知らせ

成田工場竣工 のお知らせ

成田工場

●新工場の主な特長は次のとおりです。

・製品の安全安心に万全を期すトレーサビリティー機能の強化

全ての製品から製造工程や使用された原料にいたるまで追跡が可能な、2次元コード(QRコード)を使用したトレーサビリティーシステムを導入しています。2次元コードにすることで製造日・製造時刻や賞味期限は勿論、製造の各工程における詳細な情報を記録しておくことが可能になりました。完成した製品にはケースごとにQRコードをプリントし、当該製品の製造プロセスの状態や一次出荷先を確実に把握できる管理システムとなりました。また製造工程における原料の誤投入防止や原材料の使用期限管理にも2次元コードを活用しています。

・フードディフェンス機能の充実

近年は過失による食品の汚染に備えるだけでなく、食品に対する意図的な異物混入などから食品を保護し、食品の安全を確保するというフードディフェンス(食品防御)に対する関心が高まっています。新工場はタンク類などの施錠設備やカメラによる24時間の工場内監視体制を備え、またICカードを利用して従業員であっても工場内の許される区域しか立ち入ることのできないアクセス制限を設けるなど、最新のフードディフェンス機能を設けています。

・お客様の様々なニーズに対応できる、各種醤油及びつゆ・たれの効率的な多品種生産体制

多品種の生産を効率的に行うことを可能にするため様々な新しい試みを具現化しました。詰ラインの型替時間の思い切った短縮化はその一例ですが、小ロットでも収率の低下を最小限にとどめるよう設計された液体移送ラインも、小さいロットから大きいロットまで無駄なく生産することを可能にしてお客様のニーズにお応えしようとする試みのひとつです。

・生産設備と物流センターを直結することによる迅速な生産・配送体制

製造された製品を工場内に直結した倉庫に保管し、受注に応じて配送単位ごとに払出・出荷できる配車及び在庫・出荷管理システムを導入したことで、誤配送を未然に防ぎ、ピッキング効率を向上させ、さらなる物流品質の向上を図れるようにしました。また物流拠点として東関東自動車道大栄インター近くに位置し、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)と東関道との連結も予定されており、全国配送にも好適の場所であります。

・液化天然ガス使用と熱回収を組み合わせた環境配慮型省エネ設備の導入

二酸化炭素排出量が少ない液化天然ガスを使用するとともに徹底した熱回収を行うことで、環境に優しい施設として運用いたします。例えば、配管洗浄に利用した熱湯をリサイクルするとともに排水する際にはその熱を回収し、工場全体のエネルギー効率を高めるなど、隅々まで環境に配慮した設計になっています。

ヤマサ醤油は、この成田工場竣工により、新しい時代のニーズに対応した質の高い製品及び物流サービスの提供を通じて、更なる顧客満足を目指します。