浜口陽三の手の動き ―ドローイング、油彩を中心として― 2002年10月5日(土)~12月23日(月・祝)

浜口陽三の手の動き

展示作品より ミュージアムトーク 銅版画体験教室
休館日:月曜日 ただし10/14、11/4、12/23は開館。10/15、11/5は休館。
 今日では20世紀版画の巨匠として広く知られている浜口陽三ですが、1930年代のパリ時代から戦後すぐにかけては、自身の表現を求めて葛藤の日々を送っていました。油絵から版画に移行するこの時代に浜口がどのような研鑚を重ねていたか、この時代の作品がほとんど失われているため、わたしたちは想像することしかできません。しかし1948年頃に描かれた女性のパステル画や版画の下絵となった素描、そして1954年に再渡仏した直後に描かれたデッサン帖などからは、若き日の浜口の作風が伺えます。
 また、浜口は晩年になってから再び油絵を制作するようになります。体力を極端に消耗させるメゾチントと違い、思いのままに色を操ることができる油絵の制作は、作家の大きな慰めとなりました。
 今回の特別展示は、初期のデッサン、パステル画や墨絵、そして後期の油絵など、これまであまり表にでることのなかった版画以外の作品を中心に展観します。浜口陽三の手の動きが直接伝わってくるような作品を版画作品と並べて展示することにより、その共通点、相違点が露わになり、浜口の創作過程を多角的に考察することが可能となるでしょう。

ミュージアムトーク
■11月30日(土)14:00~15:30
高橋 睦郎 (詩人)
■12月21日(土)17:30~19:00
日比野 克彦 (アーティスト)
※ お茶とお菓子をご用意しております。
 

講師プロフィール
■高橋 睦郎(たかはし・むつお)
’37年福岡県生まれ。’59年、21歳で処女詩集『ミノ・あたしの雄牛』を発表。’62年、福岡教育大学卒業。以後、’64年『薔薇の木・にせの恋人たち』、’65年に三島由紀夫の跋文をもつ『眠りと犯しと落下と』を刊行し、詩壇に登場。『暦の王』『鍵束』『分光器』 など多数の詩集を発表する。詩集『王国の構造』で島崎藤村記念歴程賞、詩集『兎の庭』で高見順賞を受賞。また、句作、歌作にも親しみ、句歌集『稽古飲食』で読売文学賞を受ける。能、歌舞伎、演劇にも造詣が深く、台本修辞『王女メディア』でグローバル国際交流基金山本健吉賞受賞。小説に『聖三角形』、詩論集に『恋のヒント』、ほか著書多数。また、’01年12月には高橋睦郎DRAWING展「素描の庭・素描の食卓」(東京画廊)を開催。

■日比野 克彦(ひびの・かつひこ)
’58年岐阜市生まれ。東京芸術大学大学院修了。現在、東京芸術大学美術学部先端芸術表現科助教授。’82年に第3回日本グラフィック展大賞、’83年に第30回ADC賞最高賞、’95年ベニスビエンナーレ参加、’99年度毎日デザイン賞グランプリを受賞。絵画、舞台美術、映像、パブリックアートなど、多岐にわたり活動。近年は各地で一般参加者とその地域の特性を生かしたワークショップを多く行っている。最近の活動としては、2002FIFAワールドカップTMホストシティポスター国内開催都市全10種類を制作。比野克彦展「HIBINO DATA ON OUR TIMES ~ある時代の資料としての作品たち~」’02年9月28日~11月15日 目黒区立美術館。「初めて橋の上で立ち止まったのは何処ですか?」’02年9月25日~10月20日 ヒルサイドギャラリーで開催。

銅版画体験教室
  -メゾチント技法-

■10月26日(土)14:00~17:00
銅版画インストラクター : 江本 創 (アーティスト)
銅版画技法の解説とモノクロームメゾチントの実習。
参加者は簡単な下絵(サイズ:12cm×7.5cm)を
持参して下さい。
汚れてもよい服装で参加して下さい。

講師プロフィール
■江本 創(えもと・はじめ)
‘70年 兵庫県明石市生まれ
‘89年 筑波大学芸術専門学群入学
‘92年 ‘92版画期待の新人作家大賞展(新宿)
‘96年 第7回浜松市美術館版画大賞展(浜松)
‘97年 第2回常陽リビング絵画新人賞展 奨励賞(つくば)
    第65回日本版画協会展(上野)~’00年まで
‘00年 個展「幻獣採集」(銀座)
‘01年 個展「幻界灘に棲む」(銀座)
‘02年 個展「無菌室の博物史」(日本橋) 「悪獣」(青山)「甲獣譚」(横浜)
     他グル-プ展多数。 年内中に作品集出版予定。



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