日常の美 浜口陽三春コレクション展 ~伊東深水をはじめ 新版画とともに~ 2013年2月9日(土)~5月6日(月)

展覧会情報
会期

2013年2月9日(土)~5月6日(月・祝)

入館料

大人600円 大学・高校生400円 中・小学生200円

休館日

月曜日(2/11、4/29、5/6は開館)、2/12、4/30

開館時間

11:00~17:00(最終入館16:30。土日祝は10:00開館。)
※2/16(土)、3/30(土)、3/31(日)はイベント開催の為、1階会場が鑑賞しにくくなります。
※休館日、開館時間等は都合により変更する場合がございます。

展覧会関連イベント

手作り絵具教室 『銅版画インクをつくる』

日時:2013年2月16日(土)10:00~12:00
講師:長崎則男(春蔵絵具)
絵の具の組成と色の仕組みを学びながら、銅版画インクをつくります。
製作したインクは3月31日の銅版画自由教室で使うことができます。
定員:12名 参加費:1000円+入館料
申込み:1/28(月)11:00~お電話で申し込み(先着順)

モノクロームメゾチント体験教室 ≪初心者向け≫

日時:2013年3月30日(土)14:00-17:00
講師:江本創(アーティスト)
モノクロームメゾチント技法を使って製版から刷りまでを行い、
1回の実習でポストカード大の作品を完成させます。
定員:18名 参加費:1800円+入館料
申込:往復はがきで申込み後、抽選。 ※3/18(月)必着

銅版画自由教室 ≪経験者向け≫

日時:2013年3月31日(日)14:00-17:00
当館で体験教室に参加したことがある方限定で作品制作の場所を提供いたします。(※技法はモノクロームメゾチントに限ります。)
定員:15名 参加費:500円+入館料
申込:往復はがきで申込み後、抽選。 ※3/18(月)必着

パリと東京、

日常にまつわるモダンな感覚と繊細な美しさの息づく、

銅版画と木版画の競演です。

 

浜口陽三(1909-2000)は1950年代、パリで銅版画のカラーメゾチント技法を完成させ、光を含んだ柔らかな深い闇と瞑想的な静物の表現に行き着きました。その静謐な作風は、他の追随を許さず、今なお20世紀を代表する世界的な版画家として知られています。

今春の展覧会では、この浜口陽三の作品とともに、寄贈いただいた木版画を展示します。伊東深水(1898-1972)、川瀬巴水(1883-1957)等による、新版画と呼ばれる作品群です。伝統的な浮世絵が次第に停滞し、明治末期には衰退する一方、大正時代になると画家、彫り師、摺り師の分業体制による「新しい木版画」が興りました。消えゆく江戸以来の情趣と近代日本における新しい感性を取り入れた新版画は、海外でも賞賛を得て、昭和30年代まで続きました。なかでも伊東深水の美人画、川瀬巴水の風景画は人気を博しました。

遠い異国の地で制作を続けた浜口も、東京の風俗や風景を描出した新版画の作家たちも、失われかけた伝統的な技法やテーマに新たな視点を与え、当代の表現をきりひらきました。卓上の果物、女性の微笑、夜の静けさ… 画家の眼によって切り取られた日常の一瞬が、版に刻まれ、現代の私たちの前に時を超えて現われます。

春の清清しい気持に華をそえるよう、木版画中の女性の装いについて、着物デザイナーの池田重子氏に解説していただきました。明治・大正・昭和にわたる約1万点の膨大な着物コレクションを築き、粋とお洒落の真髄を知る池田氏のお話は、絵の中の女性の髪型、着物の種類や肌触りなど、失われつつある日本の美意識をよびおこしてくれます。ささやかですが、絵と同趣向の着物や飾りも参考展示いたします。

浜口陽三の銅版画、日本画合わせて30点、新版画30点の展示です。情緒を対比させてご鑑賞ください

 

池田重子 (いけだ・しげこ)

1925年生まれ。着物デザイナー、コレクター、コーディネーター。1978年着物のデザインを発表し始める。1993年からは、明治以降の着物や帯、帯留を、高い美意識と現代の感覚でコーディネートした 『 日本のおしゃれ展 』 を伊勢丹美術館などで開催。現代の若い女性を中心とした「アンティークきものブーム」のきっかけとなった。著書多数。

展示風景。池田重子氏のコーディネートによる着物も展示しています。

浜口陽三 「2つのさくらんぼ」 1958年 カラーメゾチント

浜口陽三 「女の顔」 1954年 メゾチント

浜口陽三 「ぶどうの房」 1969年 カラーメゾチント


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