イベント情報 | |
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日時 | 2009年10月17日(日)13:00~14:00 |
出演 | 入 賞: 神野 芽生子(ジンノ・カヤウコ) |
会期中、3回にわたり入賞者によるアーティスト・トークが行われました。
中には「トークなんて初めてで、何を話せば・・・」と緊張する作家さんもいましたが、
展示してある作品の目の前でお話いただいたので、
制作の様子や作品にかける情熱などがリアルに伝わってくるトークになりました。
その様子を一部紹介いたします。
3回目は、入賞の神野 芽生子さん、箕輪 千絵子さん、安田 みつえさんです。
入 賞: 神野 芽生子(ジンノ・カヤウコ) 【日本】 ●入賞作品について そしてやっぱり私は人の人智を信じたくて、人は希望を持って生きていかなければと思い、夜明けを描いたんです。ここにコウモリが飛んでいるのは、コウモリというのはヨーロッパでは悪魔の象徴ですが、東洋では縁起のよい動物ですから、それを飛ばすことによって見る人に判断を委ねたいと思いました。私の中では希望、幸運をもたらしているものとして入れてみたんですね。 |
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●メゾチントの魅力 私の作品は浜口先生や長谷川潔先生のようなああいう静かな、心にしみるような世界は、自分では性格上描けないと思うし、そういうのは過去の作家の方たちがもう成功させてしまっているような気がしまして、私はメゾチントを使ってエネルギッシュで動きのある作品をつくりたいと思って、力強い表現を目指しております。 |
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●制作にかける思い メゾチントは銅版に直接ベルソーを使って目立てという作業をして版の一番の元(原版)を作るのですが、その段階で自分の精神が安定してないとぐちゃぐちゃになります。版を削ってグラデーションをつけながら作画するのですが、なかなか削りとれず、次の刷りの作業もインクのふきとりが難しく、もの凄い大変な作業なので、その過程が私の修行のような気がしてくるんです。 自分が日々日常の中で知らず知らずのうちに犯している罪が、描いたり削ったりすることによって、浄化されるような気がします。版画制作は私にとって祈りのようなものです。制作中、自分の作品がひとりよがりではなく、何日か、何処かで、どんなかたちでも良いので、何らかの為に役立って欲しいと願います。今後も実社会で起きている色んな事象や現象、そういうことに対する思いを描くことによって、自分にも、世の中にも、訴えていけたらと思っています。 |
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入 賞: 箕輪 千絵子(ミノワ・チエコ) 【日本】 ●入賞作品について モチーフとして私が注目したのはこの半分獣で半分人間の獣人なのですが、色んな神話にこういった象徴するものが出てくる共通性に興味を持ち、それから形の持つ魅力というのにどんどん興味がうつっていき、それに対するフェチシズムのような感情が生まれてきたんです。一見醜い、憎悪感を抱くような形というものを、怖い、嫌だと思う面と、逆に魅力を感じ始めた面と、自分の中で相反する気持ちが出てきました。 この作品〔罪深きことは何だか知っている -Paraphilia-〕はエジプトのミイラをモチーフになっています。はじめミイラをすごく気持ち悪いと思ってたのですが、いつの間にか魅力的に感じ始めて、いろんな人がこういう醜いものを見たときに、どこかこう受け入れて欲しいと思いながら描いています。 |
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●日常的に何が制作のきっかけになりますか? ●エッチングの線の表現に対して思い入れが何かありますか? |
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●(お客さまからの質問)人物の頭や足の部分など、全部描かないで線を途中で止めていらっしゃるのは、どういった意図がありますか? 描ききらない理由をよく聞かれるのですが、明確なことがあるわけではなく、まず自分にとって気持ちのよい画面であることが大前提としてあるので、それを探る過程で、止まったり進んだりを繰り返しながら制作しています。 |
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入 賞: 安田 みつえ(ヤスダ・ミツエ) 【日本】 ●入賞作品について |
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●版画の楽しさ ●版画制作は楽しい反面、苦労もあるということですが |
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●入賞されてどんなお気持ちでしたか? |