イベント情報 | |
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日時 | 2009年9月27日(日) 13:00~14:00 |
出演 | 大 賞: 林 智恵(イム・ジヘ) |
会期中、3回にわたり入賞者によるアーティスト・トークが行われました。
中には「トークなんて初めてで、何を話せば・・・」と緊張する作家さんもいましたが、
展示してある作品の目の前でお話いただいたので、
制作の様子や作品にかける情熱などがリアルに伝わってくるトークになりました。
その様子を一部紹介いたします。
1回目は、大賞の林 智恵さん、準大賞のLIHIE TALMORさん、
入賞の濱田 富貴さん、榎 真弓さん、門傳 真希子さんです。
大賞の林さんは韓国の方ですが、流暢な日本語でのトークをそのまま抜粋しています。
大賞: 林 智恵(イム・ジヘ) 【韓国】 ●入賞作品について この絵の場合は私が作った空間をプールと見てもいいし、広場と見てもいいのですが、「休息」の空間を想像してもらいたいです。空間に水牛も休んでいるように、この絵を見てくれる人たちも、水牛のかわりに自分を入れて考えてみて、休息を感じてほしいという思いで描きました。 |
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●制作の中で一番重要に思っていることは? ●受賞の感想 |
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●韓国と日本で作家の特徴の違いなどはありますか? ●これからどのように制作していきたいですか? |
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準大賞: LIHIE TALMOR(リヒエ・タルモア) 【イスラエル・ベネズエラ】 <TALMORさんは表彰式とトークの為にはるばるイスラエルよりお越しいただきました。当日は浜口陽三のご親族でもある、浜口珠子様に通訳をしていただきました。本文はその訳を元にしています。> 今日はお集まりの皆さんにお会いできてうれしいです。作品の制作にあたり、最初に自分で写真を撮影します。そこにしかない場所、その時しかなかった時間、つまり政治的、社会的な時間と場所をまず写真に写した後で、メタファを使って表現します。 この作品の、銃口を向けられたようなものの向こうに何があるのかは、観てくださる方に判断をゆだねたいと思います。この作品の暗いところは一種の閉塞状態を意味し、暗いところから明るいところに向かって行くことに、問題解決を重ね、トンネルの非常に暗いところの向こう側には、光があるのではないかということを絡めて表現しています。 |
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場面はエルサレムのダビデ王の道と呼ばれるトンネルです。聖書の書かれた時代から存在する兵士たちの避難路で、下には水が流れていて、本当に攻められた時には水位をあげて敵を阻止する防衛設備なのですが、この場所に行ったことがある人は写真を見ることによって、水の中を歩いて進んだり、石壁を少しずつ手探りで明かりのないところを歩いてゆく、という記憶を思い出します。 この場が貴重なのは、聖書の中に登場する場であるということです。聖書はただのお話と思いがちですが、この空間に来ることによって、自分がその聖書の時代に生きた人たちの感覚を思い出すことができます。私がこの空間に込めているのはそのような記憶であり歴史ではありません。複数の記憶、いくつかの時代の記憶をひとつの記憶としてまとめて表現しています。 写真を加工したこの作品によって表現したことは自分のもつ不安です。これは「偵察する前のトラック」というタイトルですが、実際にこの洞窟を手探りで歩いて行くと、自分の後ろから誰かついて来る。その人は自分と自分の向こうにある暗い闇を見ながらついて来ます。その人の足音がきこえてくるその同じ空間を自分も歩いてゆく、その不安を感じ取っていただければと思います。 |
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写真は撮り方によって、どんな大きさなのか、穴に見えるのか、突き出して見えるのか、人によって見え方が違います。それは人によってその作品を自分なりに翻訳しているという経験だと思います。その意味では自分なりのこの空間を、大きい空間なのか小さい空間なのか、ご自身で感じてもらいたいと思います。 さらにこの空間は、二つの相反するものをひとつにまとめています。乾いている空間と湿度のある空間、建築につかう機械的な人工的なものと、天然のものの肌合い、柔らかさやもろさと固さ、光と闇、これらがひとつに溶け合っているところを観ていただきたいと思います。 私の作品は全体に闇があるので暗い作品と思われるかもしれませんが、その中に私は希望を見出しています。非常に困難な現実の中で、私は絶望しているのではなく希望をもっていて、それをアイロニーという形で表現しています。 |
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入賞: 濱田 富貴(ハマダ・フキ) 【日本】 ●入賞作品について 植物がテーマになったその経緯は、お花を頂く機会が多くて、最初はほんとに瑞々しく美しい花が、ある日、突然茶色くなって皺がよって、その「あ、枯れ始めた」って思った瞬間が、とてつもなく切なくて、老化するものというのと、時間の経過というのがそれから自分の中で重要なファクターとなり、枯れ始めた植物、もしくは完全に枯れてしまった植物、そういったものをとにかく描写してみようと思いました。 この作品に描かれている皺は、モチーフにある皺とまったく同じものなんです。この作品のモチーフは実はバラの花びらなんですけれど、花びらの葉脈が透き通るくらいのライトをあてて、それをこの大きさまで目検討で引き延ばしていくという作業の繰り返しなんですね。だから途中で気が狂ってしまうわ!と思うこともあるんですけど、ただやっぱりそういった自分の極限状態まで追い込んで描いていった線は、ちょっと大げさな言い方ですけれど、人生の航路といいますか、道筋のような痕跡を残しているような気持ちになってくるんです。 |
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●今後どのように制作していきたいですか? |
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入賞: 榎 真弓(エノキ・マユミ) 【日本】 ●入賞作品について |
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●一見、黒という印象なのですが、よく見ると角度によっても実はいろんな色が浮き出て見えてきますね。 ●4版使うというと浜口陽三も4版使う技法ですが、影響うけたことなどは? |
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●銅版画制作の魅力 |
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入賞: 門傳 真希子(モンデン・マキコ) 【日本】 ●入賞作品について ●3年間滞在したというパリの印象はどうでしたか? |
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●色がとても鮮やかなのが印象的ですが、制作について教えて下さい。 ●作品の中で一番大事なことは? |
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●これからどのように制作していきたいですか? |