イベント情報 | |
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講師 | 本間あずさ(製本家/「空想製本屋」店主) |
日時 | 6/20(月) |
定員 | 各回10名 |
参加費 | 2300円(入館料・材料費込) |
持ち物 | はさみ、カッター |
様々な色や形、質感の紙を組み合わせ、製本の基本技法である「一折中綴じ」でつくるノート。
銅版画の版の重なりのように、紙の積層が一つの風景や物語を生み出します。
半透明の表紙からは中の紙が透けて見え、飾って楽しむこともできます。
「南桂子展 風のあわいに 小川イチの作品と共に」の関連イベントとして手製本ワークショップを開催。南桂子の作品は情緒的で時に「銅版詩」と形容されることがあります。本の表紙や挿絵に採用されることも多く、物語や詩、それらが綴られている「本」との親和性があるように感じます。
このワークショップでは、紙の重なりで物語や空間が生まれるアートブックのようなノートを制作。当日の様子を一部ご紹介します。
1. 「空想製本屋」の屋号で製本家として活動をしていらっしゃる本間あずささんを講師にお招きしました。本間さんも南桂子の作品がすきだったとのこと。「銅版画の多層性や奥行きを本という形で表現できたら…」とおっしゃってくださいました。 |
2. まずは紙選びです。いろいろな色や透ける紙の中から、自由に7~10枚選びます。本を作る上で大事なことの一つに紙の目を揃えることがあります。紙には繊維の方向で「縦目」「横目」があり、それを見極めるのが慣れないとむずかしい。 |
3. 先生が用意してくださった紙の他に、持参の紙を綴じることも可能。写真、コースター、展覧会のフライヤー、ワインのラベル、包装紙…参加者のみなさん、それぞれが思い思いの紙を持参していました。 |
4. 紙の重なりやページの順番を考えます。紙の大きさは同じでなくても綴じることができます。この自由さは手製本ならでは。透ける紙を上手く使ったり、紙を切り抜いたりして紙の重なりがおもしろくなるよう工夫します。 |
5. 紙を折る時には骨製のヘラを使います。使い方のコツを教えていただきました。紙を折る位置や、糸を通す穴の位置を測る事など、製本の仕事ではミリ単位の細かい作業が結構あるようです。 |
6. 最後に表紙と本文を合わせて、糸で綴じます。今回教わったのは「一折中綴じ」という綴じ方。種類も大きさもバラバラだった紙がひとつにまとまり、一気に「本」の形になってゆく過程がおもしろいです! |
7. 作品の完成です。紙を重ねるだけではなく、絵を描いたり、切った紙を貼ったり、それぞれの作品に工夫が施されています。多彩な表情がページをめくるたびにあらわれます。写真では伝わりずらいのが残念。 |
8. 完成した作品を並べて観賞会。表紙より中のページが大きくとびだしているような個性的な作品も生まれました。本間さんも「想像以上に素敵な作品ができて、私自身刺激になりました」とおっしゃっていました。 |
9. 他の人の作品を見て、話をするのも楽しい時間ですね。短い時間でしたが、手製本のおもしろさに触れていただけたようです。家でも応用して作ってみたいとの声が多く聞こえました。みなさま、おつかれさまでした! |