毛糸と、小鳥 浜口陽三・南桂子 銅版画二人展 【前期】 2013年8月27日(火)~10月23日(水)【後期】10月29日(火)~2014年1月13日(月祝)

展覧会情報
Date

前期 2013年8月27日(火)~10月23日(水)
後期 10月29日(火)~2014年1月13日(月・祝)

Closed dates

大人600円 大学・高校生400円 中学生以下無料

Opening times

祝日を除く月曜日、9/17(火)、9/24(火)、10/15(火)、11/5(火)、12/24(火)
■展示替休館 2013/10/24(木)~10/28(月)
■冬期休館 12/30(月)~2014/1/3(金)

Entrance fee

11:00 ~ 17:00(最終入館16:30、土日祝は10:00 開館)

 

浜口陽三(1909~2000)と南桂子(1911~2004)は、戦後、パリを制作の地と定め、各々の詩情を銅版画の中に込めました。

日常の静けさをモチーフにした浜口陽三。彼の考案したカラーメゾチントという銅版画の技法は、それまで誰も見たことのない、柔らかで叙情的な色彩を生みました。心穏やかな生活を思わせる毛糸や食卓の果実。刻まれた銅板から生まれた黒が無限の色合いを秘めて、柔らかな布のようにそれを包み込んでいます。彼の神秘的な作品は、20世紀後半、国際的に賞賛されました。

誰も知らない国を彷徨う南桂子のエッチングの世界は、近年になって若い世代の注目を浴び始めました。小鳥、少女、花やお城。訪ねたはずのない場所なのに不思議な既視感(と懐かしさ)を覚えます。童話も書いていた作家の、繊細なもうひとつの物語です。

油彩画や日本画では鑑賞の仕方が違うように、銅版画の醍醐味は、本来は手にもって間近で眺め、繊細な作品の肌合いまで感じ取るところにあります。壁面展示ではありますが、ぜひ顔を近づけて、両手で描かれた世界を包み込むように想像して眺めてみてください。制作過程は彫刻に似て一本ずつ銅の板に刻みます。その刻んだ跡をなぞるように見ていると、視覚と同時に、触覚に似た感傷が胸に起こることと思います。

長い会期の展覧会ですが、前期と後期で作品を総入れ替えいたします。二人の織り成す静かな世界を是非ごゆっくりお楽しみください。

浜口陽三 『毛糸』 1978年 メゾチント、紙 62.2 ×47.3cm (後期展示)

浜口陽三 『毛糸』 1978年 カラーメゾチント、紙 11.6 ×11.5cm (後期展示)

南桂子 『マロニエと少女』 1975年 エッチング、サンドペーパー、紙 (前期展示)

南桂子 『子供と花束と犬』 1963年 エッチング、ソフトグランドエッチング、スピットバイト、サンドペーパー 、紙 36.1×29.3cm (後期展示)


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