miki by yamasa

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みきと人々 People with Miki

  • インタビュー#01 IMALUさん(タレント)
  • インタビュー#02 花田謙一郎さん(花田のミキ代表)
  • みきにまつわる奄美のアレコレ 聞いてきました

みきを守り、みきを作る人 花田のミキ代表 花田謙一郎さん

#02 Interview

創業70年、長きにわたり奄美の人々から愛され続けている老舗のみきメーカー「花田のミキ」。初代より受け継がれた変わらぬ技法で、伝統の味を守り続けています。第一線でみき造りに奮闘している3代目・謙一郎氏にお話を伺ってきました。

その起源は「神酒」。島の行事には
欠かせないものでした

みきの語源は「御神酒」であると言われていまして、もともとは「口噛み酒」からきています。口噛み酒は米を唾液で発酵させて作るお酒で、昔から大切な神事に使われる酒です。
みきは、神前へのお供え物として祭事では欠かせないものでした。
五穀豊穣を願う豊年祭では、一升瓶に入れたみきを担いで土俵を回ったりして、そしてみきを飲んでまた相撲を取るんですよ。それから次第にお祝いの席でも振舞われるようになり、現在では日常的に飲まれるようになってきました。冷蔵庫がなかった時代には、冷やすこともできなかったので、ぶくぶくと泡が立つぐらい発酵したみきを黒砂糖と一緒に飲んでいたと聞いています。

みきは、「食べ物」という感覚で
島の人たちに親しまれています

みきは、飲み物じゃなくて、食べ物なんですよね。夏場なんか暑くて食欲が落ちてしまう時に、ご飯の代わりになるようなものですから。我々は昔からそういう感覚で作っています。
夏には出荷量も増え、お盆の時が一番多いです。みなさんお供えに使ったりもしていると思います。

【写真提供】
花田のミキ様

これが、発酵がすすんだみき。2週間くらい経ったもの。
「表現が難しいですけど、これが本当のみきです。発酵が進むともっと酸っぱくなりますよ。」

発酵の進みによる見事な味の変化に、一同感嘆の声を上げておりました。島の方々がそれぞれ好みの酸味になるよう発酵させたりするなど、みきを楽しんでいることに、改めてその奥深さを感じ、感動致しました。

工程を見せてくれました

  • ・原料はうるち米とサツマイモと白砂糖
  • ・うるち米を蒸し器で炊いて、樽に移して冷やす
  • ・生のサツマイモをすりつぶし、発酵させる
  • ・砂糖を入れて、さらに発酵を促す
  • ・明朝まで寝かせて、すり機ですり潰して、容器に充填する

快く見学を承諾してくださった花田代表。本物の工程を目の前で見られて感激でした!

普段の様子を再現して下さいました。
これはさつまいもを入れて撹拌した状態です。「詳細は企業秘密ですが、サツマイモの量と、入れるタイミングによって「味」や「とろみ」が変わってくるんですよ。」

ヤマサ醤油が作ったみきも
飲んでもらいました

実は、我々もみきを作ってみたんです。現在は、銚子にあるヤマサ醤油の工場見学センターでお客様に提供しています。奄美大島の方にしてみたら、これはみきじゃないねとなるかもしれませんが、若い人が気軽にストローで飲んでいるような姿をイメージして、とろみと甘みと酸味を調整しました。伝統的なみきとは少し違うかもしれませんが、原材料や製法などは踏襲しつつ、「こういうのもありかな?」というところを狙ってみました。

【写真】
ヤマサ醤油株式会社 取締役 岩切 拓美
商品開発に長く携わり、みき開発にも大きく関与。
若手研究員同様、奄美の食文化、みきに魅了されたうちのひとり。

ザラザラ感が全くないんですね。ほのかに芋の香りも感じますし、
これはこれで美味しいですね!このように、若い方が飲めるように
アレンジすることも、我々ではなかなかできないことなので、すごく嬉しいですね。

いろんな方がみきに携わってくれていて、
本当に感激です

父の代から受け継いで私で三代目になりましたが、奄美伝統の味を絶やしたくないという思いでやっています。わたしたちの家族も毎日みき飲んでいますから、風邪なんか引いたこともありませんしね。
わたしは原点であるこのみきを、私の代で鹿児島県の方に拡げたい!という夢があるんです。
現実的には鹿児島県内でもあまり認知がありませんから。
ですので、みなさんがこうして奄美やみきに関心を持ってくれたり、
広めてもらえたりしてくれていることは、大歓迎なんです。

みきへのおもいと、たくさんの学びをありがとうございました!Thank you!!Hanadano Mikiみきへのおもいと、たくさんの学びをありがとうございました!Thank you!!Hanadano Miki

みきにまつわる奄美のアレコレ 聞いてきました!みきにまつわる奄美のアレコレ 聞いてきました!

今回のみきを巡る旅では、みきにまつわる素敵なお話に出会うことができました。奄美の人々のたちによって、豊かに育まれたみきの姿とそのおもいを、少しずつではありますが、ご紹介いたします!