代々木公園近くの路地に店を構える「Mont Blanc STYLE」は、格子戸が目を引く和の佇まい。
暖簾をくぐり店内に入ると、寿司屋を連想させる木を基調としたカウンタースタイルの空間が広がります。2018年5月にオープンしたモンブランの専門店は、オーナーパティシエの竿代信也さんが“お寿司のようなモンブラン”をコンセプトに生み出したスイーツを提供。そのおいしさを求めて、全国から栗・モンブランの愛好家が訪れる話題のお店です。
竿代さんは、およそ10年前に和栗の滋味に魅了されて以来、その魅力を多彩な活動で発信する“栗の伝道師”。和栗専門店「和栗や」を展開するなかで、幅広い年代に親しまれるモンブランの可能性に着目し、ここでしか味わえないおいしさを提供しています。
出来たてならではの「鮮度」が
和栗の香りを最大限に引き出す
「最も重視しているのは“鮮度”です。和栗は芳醇で鼻に抜けるような上品な香りが魅力ですが、空気に触れた瞬間から刻一刻と失われていきます。作りたてのモンブランをすぐに食べていただくために、寿司屋のようなカウンタースタイルにしました。」竿代さんの言葉どおり、作るそばから和栗の香りが店内に広がります。
提供するメニューは、Mont Blanc DESSERT(モンブランデセル)と毎朝作りたてのアイスクリームを合わせたMont Blanc PARFAIT(モンブランパフェ)の2種類。パフェメニューは、涼やかなモンブランの楽しみ方として生み出しました。さらに、スイーツと合わせるドリンクにも竿代さんのこだわりが。「和栗の香りを引き立てつつ、口をリフレッシュさせるには、ほうじ茶をはじめとした熱い和茶がベスト。食べ終わった後も、和栗の余韻を楽しめるんです。」
モンブランのおいしさを通じて
笠間産和栗の魅力を広めたい
“どのようにして和栗の魅力を引き出すか”。それを探求し続ける背景について、「茨城県の笠間産和栗の魅力を伝え、知る人ぞ知る和栗の名産地を次世代に継承する一助になりたい」と竿代さん。さらに「近年は、ひとつの食材を専門的に扱う飲食店が注目を集めています。『Mont Blanc STYLE』を通じて、和栗と同様に日本固有の食文化を追求する担い手が増えれば、日本の食分野は一層盛り上がるのではないでしょうか」と飲食店業界の将来展望を話します。
モンブランという可愛らしいスイーツに込められた、栗の伝道師としての熱い想い。都会の真ん中で、和栗の芳醇な香りをまとった逸品は、これからも和栗の魅力を雄弁に語り続けます。
和栗の奥深さを演出する
渋皮栗とむき栗の融合
メニュー名:Mont Blanc DESSERT(モンブランデセル)
原料、製法、提供のすべてに竿代さんのこだわりが息づく看板メニュー。握りたての寿司のような出来たての繊細なおいしさを堪能できるモンブランです。
①むき栗ペーストと生クリームを混ぜ合わせたむき栗のモンブランクリームを糸状に絞り出し、中央に渋皮のモンブランクリームを乗せます。
②無糖の生クリームと焼いたメレンゲを盛り付け、その上にむき栗のモンブランクリームをかぶせます。仕上げに粉糖をかけて完成です。
【店舗紹介】
Mont Blanc STYLE(モンブランスタイル)
〒151-0063
東京都渋谷区富ヶ谷1-3-3
営業時間 12:00~19:00
※整理券または当日準備数が無くなり次第終了
※水曜定休
https://www.montblancstyle.com/
【竿代信也氏プロフィール】
1970年生まれ。千葉県出身。クリエイターとしてブランディングに携わるなか、2009年に茨城県笠間産の和栗と出会い、その香り豊かな滋味に魅了される。2010年に株式会社和栗やを創業。2011年に和栗専門店「和栗や東京(谷中店)」、2018年5月には「Mont Blanc STYLE」をオープンする。専門店を運営する一方で、約2haを誇る自社農園での和栗栽培、栗産地が抱える後継者問題の解決にも尽力。栽培を知り、和栗を知り、調理を知るからこそ最大限に引き出せる“和栗の本当のおいしさ”を通じて、和栗の魅力を発信し続けている。