2013年12月「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、2017年11月文化芸術基本法に「食文化」というワードが明記されたのを契機に日本の食文化継承に拍車がかかりました。なかでも鍵をにぎる食材の一つが「昆布」。江戸時代、食都大坂に北前船で運ばれた北海道の昆布をベースに「だし」をかけて麺類をいただく、今では当たり前の食文化が開花しました。世界の料理人が和食に注目、世界規模でおだしの意義が高まるなか、昆布だしの魅力を再発見しましょう!
日本コナモン協会とは
日本コナモン協会は、2003年5月7日=コナモンの日に誕生し、コナモン=食のおいしさ、素晴らしさ、楽しさを探求し皆さんにも知っていただきたい、と活動しています。昨今は、健康意識がより高まる中、新しいプロジェクトとして「麺益力」というキーワードを掲げて様々な情報を発信しています。
日本コナモン協会
会長 熊谷真菜
2013年12月「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、2017年11月文化芸術基本法に「食文化」というワードが明記されたのを契機に日本の食文化継承に拍車がかかりました。なかでも鍵をにぎる食材の一つが「昆布」。江戸時代、食都大坂に北前船で運ばれた北海道の昆布をベースに「だし」をかけて麺類をいただく、今では当たり前の食文化が開花しました。世界の料理人が和食に注目、世界規模でおだしの意義が高まるなか、昆布だしの魅力を再発見しましょう!
京の着だおれ、大坂の食いだおれ、という言葉も登場するほど、「食いだおれ」の町として400年の歴史があります。また大坂と麺類の関係は深く、大坂城築城の資材置き場である「砂場」に2軒のうどん・そば店が繁盛していたので、仕事のあとのお楽しみとして、「砂場いこか」と言われるほど、麺類店の代名詞として「砂場」が使われていました。残念なことに、きつねうどんが大阪生まれであることを知る人は少なくなっています。西区新町の公園には「ここに砂場あり」という石碑がありますが、代名詞としての「砂場」の歴史を知っている人はほとんどいません。また関東には「砂場」という屋号の老舗麺類店が多く、それは大阪の「砂場」にあやかったものでした。
城下町が形成されるなかで、飲食店もふえ、料理人が食材を駆使して人気を競うようになりました。なかでも当時の革新的な食材は昆布。17世紀末、河村瑞賢によって北前船の「西回り航路」が整備されると、届けられた蝦夷の昆布が大坂の料理人たちを歓喜させます。水に浸けておくだけで、グルタミン酸の旨味がひきだせることを知った彼らは、鯖節や煮干しなどのイノシン系を合わせ、滋養たっぷりの「だし文化」を醸成、世界標準のおだしたっぷりのかけうどん、かけそばを誕生させました。それまでは、味噌や梅干しなどの調味料であえたものが多く、おだしをかけるアイデアは昆布を使うようになってからと言われます。
また水路での運搬がメインだった当時、中心である船場には、繊維問屋、薬種問屋など、現代の日本を代表する企業のもとになる大店が軒を連ね、そこで働く奉公人たちのお楽しみとして、手軽においしく、寒い季節には体を温める、おだしの麺類が好まれました。
寒い季節になると、とくに好まれた「だしうどん」。まさに麺益力あふれる一杯ですが、だしをあんかけにすることで、熱々のままで最後まで味わえるという庶民の知恵。
江戸時代から能勢街道沿いの町には、何軒ものうどん屋さんが賑わったといいますが、いまでも健在な有難い老舗、名店をご紹介します。
大阪から「能勢妙見山」方面に至る「能勢街道」。この道を通って、「多田銀銅山」の銀・銅、丹波の農産物や木材、池田の酒や炭が大阪にもたらされたといいます。街道沿いは、早くから開け、「服部天神宮」「原田神社」の参詣道でもあり、一方、丹波地方から池田、大阪へと農産物や物産品がこの街道を行き来したのです。
落語「池田の猪買い」もあるように寒い季節には、だしうどんはさぞかし好まれたでしょう。しかもあんかけにすることで、さいごまで熱々なのも贅沢だったにちがいありません。からだを温める理に叶った最強の一杯が160年もの間、愛されているのです。
六代目店主、巽正博さんにお話をうかがいました。
初代は伊丹出身、賑わっていたこの地で、弁当を食べる場所を提供する茶店をはじめ、うどんを出すようになったそうです。前日からつけておいた利尻昆布に、ウルメ、サバ節を合わせただしは、立杭焼の一升徳利に小分けされています。だしを徳利に入れるのは昔はどこでも当たり前でしたが、今は文化財的な光景です。温めるのは徳利のまま湯せんします。直接鍋で加熱するのはNG。
角が立ってしまい、だしのまろやかさが失われてしまうからです。
釜の前は一段高くなっていて、注文に応じて、ご主人が仕上げていかれます。ささめうどんは細麺なので、2〜3分ゆでます。その間に白だしに醤油と砂糖を入れたかけだしを鍋に入れ、水溶きの片栗粉を入れて、天ぷらに使うくらい太めの棒で手早くかきまぜます。何気ない一連の作業ですが、自然な流れで見事なあんかけに変化していきました。
大阪うどんは25分くらいゆで時間がかかるので、当時からゆでおきが普通でした。50年ほど前に讃岐うどんの店が増えはじめ、新しいメニューとして、ゆで時間の短い細いうどんを五代目が昭和48年に考案、 のちに谷崎潤一郎夫人が来店されたとき、「細雪」のささめを商品名に頂いて「名代ささめうどん」が誕生しました。
吾妻大阪のうどん界を牽引する人気店、極楽うどんのオーナー田中隆司さん。
200社くらいを相手に工場を取り仕切る順風満帆の仕事をやめ、45歳で新しい世界にチャレンジすることに。一回きりの人生、2度目のチャレンジを一からやってみたくなったそうです。
驚く家族らを説得し、共に食べてまわり、1年あまりうどん修業に打ちこみ、2009年8月3日「極楽うどん」をオープン。
他の料理人より経験が足りない分、良い食材を使うことでカバーしようと、北海道南産真昆布、黒口浜一等級という超レアな昆布を16時間つけて、サバ、ウルメ、メジカと一緒にしっかり炊いて温度も上げて、しっかりアクを取り、かけだし、ぶっかけのベース、丼用に味付けしていきます。
田中さんは創業にあたって、卵とじのカレーを作りたくて、卵とカレーが混ざらない形で提供したいと試行錯誤の末、カレーを底にひいて、麺をそおっとのせて、そこに鶏卵あんかけを満たすという3層構造を開発。
見た目も味わいもほかにない発明。その看板メニューを家庭でも再現できるレシピを教えていただきました。
●材料(1人前)
【A.1層目(お鉢の底部分)】
・水…120cc ・ヤマサ昆布つゆ…20cc ・市販のカレールー(1カケの半分)…約12g ・水溶き片栗粉…少々
【B.2層目(真ん中部分)】
・冷凍うどん…1個
【C.3層目(表面部分)】
・水…200cc ・ヤマサ ぱぱっとちゃんと これ!うま!!つゆ…50cc ・牛肉…20g ・玉ねぎ(スライス)…15g ・卵…1個 ・水溶き片栗粉…少々
【薬味】
・刻みねぎ…適量 ・おろし生姜…適量
●つくり方
【A.1層目】
①鍋に水、昆布つゆ、カレールーを入れて煮溶かす
②火を止めて、水溶き片栗粉でとろみを付ける
【B.2層目】
①冷凍うどんを表示通りに、レンジでもどす
【C.3層目】
①別の鍋に水、これ!うま‼つゆ、牛肉、玉ねぎを入れて沸かす
②卵を溶きほぐし、①に細く回し入れ、水溶き片栗粉でとろみを付ける
●仕上げ
①あらかじめ温めておいた器に1層目のカレーだしをいれ、カレーにのせる感じで、うどんを全面に渦巻き状にそっと敷きつめ、3層目の鶏卵あんかけをのせる
②ネギを真ん中に乗せ、その上におろし生姜をのせて完成
昆布だしを中心に、かつおだしを加え、まろやかでコクのある味に仕上げたお得な3倍濃縮つゆです。めん類のつけ・かけから煮ものなど「だし」が決め手のお料理に幅広くお使いいただけます。
商品ページはこちらめんつゆとも、白だしとも違う、だしのうま味・甘みのきいたこれまでにない洋食にも合う濃縮つゆ。料理の色が上品に仕上がるため、うどんつゆはもちろん、照焼き、野菜の焼き浸し、煮物、炊き込みご飯、パスタ、丼物にもお使いいただけ、料理初心者から上級者までこれ一本でぱぱっとおいしいメニューができる、カンタン万能つゆです。
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