スリオラ
本多 誠一(ほんだ せいいち)シェフ
1976年千葉県生まれ。高校卒業後、フランス料理店での勤務を経て1998年渡仏。以降、スイスやフランスで修業中に、スペインへ渡り衝撃を受ける。料理の技術レベルはもちろん、素材の質の高さや豊かさにふれ、シンプルな調理法も含めて日本と共通点が多いことを痛感。スペイン料理・モダンスパニッシュにどんどんと魅せられていく。サンセバスチャンの「カーサ ウロラ」で4年間働き、シェフを努める。9年間の海外修業を経て帰国。
2008年から東京の「サンパウ」スーシェフとして活躍後、2011年麻布十番にスペイン料理レストラン「ZURRIOLA」のオーナーシェフに。2015年に現在の銀座へ移転。日本の四季の恵みをふまえたモダンなスペイン料理をおまかせコースのスタイルで日々提供している。
シェフにお話を聞いてきました
スペインでの衝撃
実家が魚屋だった事もあり、小さい頃から食にかかわることがごく当たり前の環境にいました。高校の時のアルバイトも、意識した訳ではないのですが、レストランや弁当屋だったりと飲食系でしたね。日本で修業を積んだ後フランスへ、さらには隣国のスペインへと経験の場を広げました。
スペインでは全ての素材に対して、レベルが高いと感じました。単価が手頃な店でも、素晴らしい素材が出てくるんです。例えば、フランスでは魚だと皮や骨を取り除き切り身にして料理していたのですが、スペインでは頭や皮も付けたまま。お客様に、素材そのものの姿をお見せし味わってもらえるようにしている訳ですが、実は一度骨を抜いて皮を閉じ料理するんです。そういう発想は今まで見たことがなく衝撃的でした。
素材感を大事に
今でも大事にしているのは「素材感を大事にする」こと。スペイン料理では、素材感をとても大切にしています。これは、料理をやる上で一番大切なことだと思います。
また、「牛カツ ワインじょうゆ」の肉を赤ワインで洗うテクニックは、通常燻製やローストによく使われますが、漬け込むとその風味が勝ってしまい、素材本来の味を無くしてしまうことがあります。軽く洗い置く事で、風味を上品に残すことができます。
「ひよこ豆のジュレサラダ」のひよこ豆はスペイン料理でもよく使うのですが、味が乗りにくい食材です。そこでドレッシングをジュレにすることで、味が乗りにくいものに味を乗せて食べることを考えました。また、ジュレとしてしょうゆそのものを食べるので、減塩しょうゆを使いました。
スペイン料理と日本料理の共通点
フランスとスペインは隣り合う国なので、気候や扱う食材も似ていますが、考え方としては日本とスペインの方が似ていると思います。まず素材があり、そしてそれをもっと美味しくするにはどうしたらよいかを考える。素材へのアプローチが似ていると感じています。
「 鮮度の一滴」はCMで見た時から素晴らしい商品だと思っていました。”酸化”はこの業界のテーマですからね。色もきれいで、風味も素晴らしい。オリーブオイルでもぜひ商品化して欲しいですね(笑)!